転載:パーキンソン病、iPS使い治療 京大が16年にも
パーキンソン病患者が待ちに待ったiPS細胞の臨床実験が始まりそうです。
iPS細胞が発表された直後から期待していた患者さん、そしてその家族はとても多かったのではないでしょうか。
是非、一日も早く臨床実験から通常の治療法として確立できればと思います。
あと少し、あと少しです。
みなさん、頑張りましょう!
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京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)はiPS細胞を使い、手足などが震える神経の難病であるパーキンソン病を治す臨床研究を2016年にも始める。iPS細胞から育てた神経細胞を移植し、脳の機能を回復させる。治療に必要な細胞を安全に作る技術を確立した。iPS細胞を使う移植は今夏にも理化学研究所が目の難病を対象に世界で初めて実施する。今回は2例目になりそうだ。日本発の再生医療が世界をリードする可能性がある。
様々な細胞に変化できるiPS細胞は、病気やケガで損なわれた臓器の働きを補う再生医療の切り札とされる。iPS細胞から作った細胞を体内に移植する治療が成功すれば、心臓などの内臓の病気への応用に弾みがつく。医療分野の日本の競争力向上にもつながる。
京大の高橋淳教授らが実施する臨床研究の対象患者は6人。研究が認められれば募集する。患者の血液からiPS細胞を作製し、さらに大量の神経細胞に成長させて患者の脳に移植する。細胞移植で、患者の脳内で減っている神経伝達物質「ドーパミン」の量を増やす。
作った神経細胞の安全性を確認するため、血液採取から移植まで約9カ月かかる見通し。手術は頭部に小さな穴を2つ開け、針を使い細胞を移植する。「手術の難易度は決して高くはない」(高橋教授)。移植によってがんができるリスクは非常に低いという。
移植後は1年以上詳しく調べる。介護が必要な患者が身の回りのことを一人でできるようになったり病気の進行を遅らせたりできるなどの効果を期待している。
研究チームは15年初めをめどに、京大が設置予定の安全審査のための第三者委員会に臨床研究計画を申請する。さらに厚生労働省の審査を経て厚労相が了承すれば、臨床研究が実施できる。
京大チームはこれまでにネズミやサルを使い実験。iPS細胞から作った神経細胞を移植し、治療効果を確認している。
また、感染症などの原因となる可能性がある動物の成分の代わりに、たんぱく質を使うことで、従来の20倍以上の高効率で神経細胞を作るのに成功。移植に適した細胞だけを選別する手法も開発した。成果は米科学誌ステム・セル・リポーツ(電子版)に7日掲載される。